海外AIニュースまとめ(2/24〜3/2)

atmaLab編集者
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March 3, 2025
海外AIニュースまとめ(2/24〜3/2)
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① Anthropic社、複数の推論法を組み合わせた新AIモデルを発表

AmazonやGoogleが出資する米スタートアップAnthropic社は、新たなAI言語モデル「Claude 3.7 Sonnet」を公開しました​。このモデルは高速な応答だけでなく、回答前に自己推論する「拡張思考モード」を搭載し、数学やプログラミングなど複雑な問題への正確性を向上しています​。企業の実務での利用を意識し、従来より現実的な課題解決に焦点を当てた設計となっています。

https://arstechnica.com/ai/2025/02/claude-3-7-sonnet-debuts-with-extended-thinking-to-tackle-complex-problems/

② Anthropic、約350億ドルの資金調達を準備か

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、Anthropic社は約35億ドル(約4,700億円)の資金調達を進めており、企業評価額は約6.15兆円に達する見通しです​。この出資ラウンドにはLightspeedなど有力VCが参加予定で、前年の評価額18億ドルから大幅な上昇となります​。生成AIへの投資熱が依然高く、米国のスタートアップが巨額資金を集める状況が続いています。

https://www.wsj.com/articles/ai-startup-anthropic-finalizing-3-5-billion-funding-round-020e320d

③ 中国発AI企業の躍進と課題

中国の新興AI企業DeepSeek(深探)は、西側の最先端モデルに匹敵する性能をわずかなコストで実現したと評価されています​。習近平国家主席も国内AI企業の奮起を促しており、2030年までに中国をAI先進国にする計画を掲げています​。一方で、中国政府の管理体制が民間イノベーションの広範な展開を難しくする可能性も指摘されており​、米国との技術競争に加え国内政策との両立が今後の課題となりそうです。

https://www.reuters.com/breakingviews/why-china-may-struggle-unlock-power-ai-2025-02-25/

④ 英政府、AI企業による著作物利用計画を見直しへ

イギリスでAI企業に著作物を無断利用させる法改正案に対し、音楽や出版業界から強い反発が起きました​。政府関係者は、クリエイティブ産業を保護するため計画の一部修正を検討していると報じられています​。著作権者が明示的に拒否しない限りAIの学習に作品が使われる仕組みに懸念が高まったためで、文化庁なども業界との協議を経て方針を軟化させる見通しです。

https://www.theguardian.com/technology/2025/feb/25/why-are-creatives-fighting-uk-government-ai-proposals-on-copyright

⑤ エヌビディア、AI需要で売上高78%増

米半導体大手エヌビディアの最新四半期決算で、売上高が前年同期比78%増の約393億ドルに急拡大しました​。生成AIブームに伴うデータセンター向けGPU(演算半導体)の需要急増が牽引しており、同社は次四半期も430億ドル前後の売上を見込む強気の見通しを示しています​。AI計算用の次世代チップへの需要は引き続き旺盛で、エヌビディアは大規模投資で供給能力を強化すると発表しました。

https://www.cnbc.com/2025/02/26/nvidia-nvda-earnings-report-q4-2025.html

⑥ アマゾン、生成AI搭載の新音声アシスタント「Alexa+」発表

アマゾンは音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」を大幅強化し、生成AIを組み込んだ新サービス「Alexa+」を発表しました​。Alexa+はユーザーの好みや履歴を学習して、予約代行やスケジュール管理などをより自然な対話でこなせるのが特徴です​。プライム会員には無料提供され、非会員向けには月額19.99ドルで提供予定です​。音声AI分野で先行するグーグルやアップルに対抗し、日常生活へのAI活用をさらに拡大する狙いです。

https://www.theverge.com/news/619755/amazon-alexa-ai-upgrade-artificial-intelligence-smart-assistant

⑦ OpenAI、GPT-4.5「Orion」を発表

ChatGPTの開発元OpenAIは、大規模言語モデルの新バージョン「GPT-4.5」、コードネーム「Orion(オリオン)」を公開しました​。同社最大規模のモデルで、従来より深い知識と高度な読解能力を備えています。GPT-4.5はChatGPT有料版のユーザーやAPI利用者に研究目的で先行提供されましたが、その性能は一部ベンチマークで最新の競合モデルに及ばない点もあり​、OpenAIは将来のGPT-5で推論能力を統合しさらなる改良を目指すとしています​。

https://techcrunch.com/2025/02/27/openai-unveils-gpt-4-5-orion-its-largest-ai-model-yet/

⑧ メタ、AIインフラ拡充に向け350億ドルの資金調達を検討

米メタ(旧フェイスブック)は、AI対応データセンター建設のため約350億ドル(約4.8兆円)の資金調達を模索しています​。報道によれば、投資会社アポロ・グローバル・マネジメントが主導する融資パッケージで、AI需要に対応した大規模な米国内データセンター網を整備する計画です​。ザッカーバーグCEOは2025年にAIインフラへ最大650億ドルを投資すると表明しており​、生成AI時代に向けたインフラ競争が激化しています。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-02-27/meta-in-talks-to-raise-35-billion-for-data-center-financing-led-by-apollo

⑨ 話題のAIピン、サービス停止で「ただのガジェット」に

元Apple幹部らのスタートアップHumane社が発売したウェアラブルAI端末「AI Pin(エーアイ・ピン)」が、発売から半年足らずでサービス停止となりました。2024年11月15日以降に出荷された一部ユーザーのみ返金対応されましたが、それ以前の購入者への保証はなく、多くの端末が機能停止し電子ゴミになる事態です​。高額デバイスが短期間で実質使用不能となったことで、先進的なAIガジェットへの過度な期待と課題が浮き彫りになりました。

https://www.wired.com/story/the-humane-ai-pin-has-already-been-brought-back-to-life/

⑩ ソフトバンク、巨額融資でAI分野に投資加速へ

ソフトバンクグループの孫正義社長は、人工知能分野への投資資金として約160億ドル(約2.2兆円)の借り入れを計画していると報じられました​。同社は既に自社ファンドを通じてOpenAIや共同プロジェクト「Stargate」への資金拠出を表明しており​、今回の調達が実現すればAI領域への累計投資はさらに拡大します。米中がしのぎを削るAI競争で、国内外の有望企業に大胆な資金投入を行い主導権を握る狙いとみられます。

https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/softbank-talks-borrow-16-billion-fund-ai-information-reports-2025-03-01

編集者コメント

巷ではClaudeの最新版がかなり話題になってましたね。流行りの思考モードつき。コーディング能力が特にすごいとか。ここらへんはどんどん高性能になっていくので、1年後とか想像つかないですね。
AIでWEBアプリつくれるとか、今でさえすごいと思いながら使ってるのに、更にすごくなるわけですよね・・・

そしてそんな中、マーケティング上手なOpenAIが狙ったかのようにGPT-4.5をぶつけてきました。こういうの本当にうまいというか、、、新しいネタをいつでも出せる状態で(いくつか)持っていて、他社のリリースにぶつける。ということを確実にやっている気がします(笑)

あとは我らがSoftbank。スターゲート計画くらいから、海外メディアでのSoftbankの露出が更に上がった気がします。日本のメディアももっと取り上げてくれれば良いのに。

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