① Elon MuskのxAI、AI動画生成スタートアップを買収
イーロン・マスク氏のAI企業xAIが、わずか4人の社員からなるAI動画生成スタートアップ「Hotshot」を買収しました。Hotshotはテキストからリアルな動画を作成できる技術を持ち、将来xAIの対話型AIへの動画生成機能追加につながると期待されています。
② Roblox、生成AIで3Dオブジェクト作成ツールを公開
ゲームプラットフォーム大手のRobloxが、生成AIを使って3Dオブジェクトを作れる新ツールを発表しました。1.8億パラメータのAIモデル「CUBE 3D」を搭載した「メッシュジェネレータAPI」で、テキストで「黒いストライプのオレンジ色のレーシングカー」のように指示すれば3Dモデルを自動生成できます。このモデルはオープンソース化され、将来的には画像入力や音声対話など機能拡張も計画されています。
https://www.axios.com/2025/03/17/roblox-genai-3d-image-generator
③ グーグル親会社、クラウド強化のため32億ドルでWizを買収へ
グーグルの親会社Alphabetは、クラウド事業強化のためサイバーセキュリティ企業Wizを約320億ドル(約4兆2千億円)で買収すると発表しました。Alphabet史上最大規模の買収となり、Wizはグーグルのクラウド部門に組み込まれて企業向けのセキュリティ対策を強化する見通しです。この巨額投資により、クラウド分野で競合するAmazonやMicrosoftに対抗する狙いがあります。
④ NVIDIA、新型AIチップ「Blackwell Ultra」「Vera Rubin」を発表
半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)は年次イベントGTC 2025で次世代AI向けプロセッサを発表しました。2025年後半に発売予定の「Blackwell Ultra」は現行品と同等の性能でメモリ容量を大幅増強し、2026年登場予定の「Vera Rubin」はAIの推論・学習(推論=モデル実行)の性能を飛躍的に向上させるとしています。これら新チップはより巨大なAIモデルの高速処理を可能にし、将来の「生成AI」需要に対応するものです。
https://techcrunch.com/2025/03/18/nvidia-announces-new-gpus-at-gtc-2025-including-rubin/
⑤ 新たなAI「スケーリング法」提案も専門家は懐疑的
グーグルとUCバークレーの研究者チームが、AIモデルの性能を高める新手法「インファレンス時検索」を提案しました。これは質問に対しAIが多数の回答候補を並行生成し、自ら検証して最適解を選ぶ方法で、1年前の旧モデルでも最新モデルに匹敵する性能を発揮できると主張しています。しかし専門家からは「評価関数(望ましい答えを判断する基準)が明確な場合にしか有効でない」など懐疑的な声が上がっており、多くの場面で有用とは限らないと指摘されています。
⑥ 対話AI「Claude」がインターネット検索に対応
Anthropic社の対話型AI「Claude(クロード)」が、新たにインターネット検索機能に対応しました。まず米国の有料ユーザー向けにプレビュー提供され、設定で機能をオンにするとWeb上の最新情報を回答に取り込めるようになります。検索で取得した情報には出典(情報源のURL)が明示されるため、回答の裏付けをユーザー自身が確認できます。この機能追加により、ClaudeはChatGPTやGoogleのGeminiなど他社のAIチャットボットと同等に、最新情報を扱えるようになりました。
⑦ アップル、Siriテコ入れでAI担当役員を交代
Apple社が音声アシスタントSiri(シリ)の強化に向けて社内体制を再編します。VR端末「Vision Pro」の開発を率いた副社長マイク・ロックウェル氏がSiriチームの指揮を執り、長年AI部門を統括してきたジョン・ジャンナンドレア氏はSiriの管轄から外れることになりました。ティム・クックCEOはジャンナンドレア氏の下で停滞していたSiriのAI機能に危機感を抱いており、ロックウェル氏の下で巻き返しを図る構えです。
⑧ ハリウッド有名人ら、AIによる無断学習に抗議
ポール・マッカートニー氏やギレルモ・デル・トロ監督など約400人の俳優・作家が連名で公開書簡を提出し、AI企業が著作物を無断で学習することを認めないよう米政府に求めました。この書簡では「AIモデルの訓練目的でのフェアユース(著作権の例外)拡大を認めないでほしい」と強く訴えています。現在AI企業はモデル改善のため大量の人間の創作物を必要としていますが、法律で無断利用が許されればクリエイターへの適切な対価が失われると懸念しています。
⑨ グーグル、OpenAIに追いつくための2年間の社内奮闘
米誌Wiredは、ChatGPTの登場に衝撃を受けたグーグル社内でこの2年間に起きた変革を詳報しました。記事によると、グーグルは対話型AIで後れを取った「コードレッド(非常事態)」に対処するため、わずか100日で対話AIを開発するよう指示を出すなど社内体制を刷新し、膨大な時間外労働やプロジェクトの優先順位変更を行ってきました。この奮闘の結果として生まれたのが独自の生成AI「Gemini」であり、グーグルは社風までも変えてAI競争に挑んでいると報じられています。
https://www.wired.com/story/google-openai-gemini-chatgpt-artificial-intelligence/
⑩ グーグルの生成AI「Gemini」、リアルタイム映像解析に対応
グーグルは対話型AI「Gemini(ジェミニ)」において、ユーザーの画面やスマートフォンのカメラ映像をリアルタイムで解析する新機能の提供を開始しました。一部のGoogle One加入者向けに提供され、スマホのカメラに写った映像について色の選択にアドバイスを求めるといった質問に即座に答えることができます。これはグーグルが昨年デモ展示していた機能で、ついに一般ユーザーにも公開された形です。AIが視覚情報を「見る」ことで、現実世界に即した支援を行えるようになりました。
編集者コメント
先週はNVIDIAがイベントを開催したということもあり、NVIDIA関連のニュースが多く上がっていました。個人的には「おーすごいなぁ・・」と思うニュースが多かった気がするのですが、その割に株価は。。。という状況でした。
ハリウッドのAI反対〜みたいな流れはだいぶ前からあるのですが、確かにAIで代替される危機感は相当あるでしょうね。これからAIセレブタレントなんかも生まれるのでしょうか。一方でということでもないですが、日本では「企業が持っているデータをAI向け学習データとして提供するのに同意は不要」とする法改正に乗り出すそうです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA194XB0Z10C25A3000000/
こういうニュースを見ると日本の方がある意味で緩くて前向きだな・・・と思いがちですが、真相としては、「アメリカはこれまで同意なしで使うケースも多くあった(法律のグレーゾーンをついて・・・※ 州によっても異なるようですが)」→「アメリカでもそれに異議を唱える人たちが増えた」→「そろそろ取り締まらないといけないのかなぁ」という流れ。そりゃアメリカの方が進化は早いよね。という話もあるようです。