① 強化学習の開拓者2名、2025年チューリング賞を受賞
アンドリュー・バート氏とリチャード・サットン氏が、AI研究での功績により「コンピューター界のノーベル賞」と呼ばれるチューリング賞を受賞しました。二人はロボットやゲーム開発に応用されるAI技術の基盤を築いた人物です。
https://www.nytimes.com/2025/03/05/technology/turing-award-andrew-barto-richard-sutton.html
② Google、検索エンジンに複雑な質問対応のAIモードを導入
Googleが検索エンジンにAIを活用した新モードを導入しました。ユーザーは一度に複数の質問を組み合わせて尋ねることができ、検索結果は会話形式で関連情報をまとめて提示されます。これにより複雑な疑問にも答えやすくなります。
③ Meta、全企業が使える「AIエージェント」戦略を発表
Meta(旧Facebook)は、全ての企業が自社専用のAIエージェント(自動応答するAI)を持つ時代が来ると表明しました。特に小規模企業でもAIを導入しやすくする取り組みで、顧客対応や業務の自動化を支援する計画です。
④ イーロン・マスクのAI「Grok」、トランプ氏巡る発言で物議
イーロン・マスク氏の新しいAIチャットボット「Grok(グローク)」が、トランプ前大統領に関する回答で物議を醸しています。Grokはトランプ氏を「プーチンの手先である可能性が高い」と推測する発言をし、この偏った応答がAIの中立性や正確性について議論を引き起こしました。
⑤ 防衛AIスタートアップのShield AI、約2.4億ドルを調達
軍事向けAIを開発する米スタートアップのShield AI社が、約2億4千万ドルの資金調達を実施し、企業評価額が約53億ドル(約7千億円)に達しました。自律飛行する軍用無人機などの先端技術開発に資金を充て、事業拡大を図る予定です。
https://news.crunchbase.com/defense-tech/startup-shield-ai-venture-funding/
⑥ ChatGPTの週次利用者が半年で倍増し4億人に到達
OpenAIの対話型AI「ChatGPT」の利用者数が急増し、週あたりの利用者が4億人を突破しました。2024年後半から新機能や高性能モデルの投入によって再び成長ペースが上がり、半年足らずで利用者が倍増した形です。
⑦ Google共同創業者ラリー・ペイジ、新AI企業を設立
Google共同創業者のラリー・ペイジ氏が、新たなAI企業「Dynatomics(ダイナトミクス)」を立ち上げました。このスタートアップは製造業向けにAIによる製品設計の自動化を目指すもので、生産の効率化やコスト削減に取り組むとされています。
⑧ ChatGPTのMac版、コードを直接編集可能に
OpenAIのChatGPT(チャットGPT)のmacOS版アプリがアップデートされ、Mac上の開発ソフト(XcodeやVS Codeなど)と連携して直接プログラムコードを編集できるようになりました。コピー&ペーストせずにAIがコード修正を提案・適用でき、プログラミング作業の効率化が期待されます。
https://www.macrumors.com/2025/03/07/chatgpt-integrates-with-xcode-mac/
⑨ マイクロソフト、OpenAI対抗の推論AIモデルを開発中
米マイクロソフト社が、OpenAIに依存しない自社開発の高度なAIモデルの構築に取り組んでいることが報じられました。Office製品などに組み込まれるAIアシスタント「Copilot」への活用を視野に、論理的な推論能力を強化したAIを開発中とされています。
⑩ AIが発見した新薬「レントセルチブ」が正式名称を取得
創薬ベンチャーのInsilico Medicineが開発した新薬候補「レントセルチブ(Rentosertib)」が、米国で正式な一般名として承認されました。この薬は標的分子の選定から候補化合物の設計までAIで行った初の事例で、難病の肺線維症に対する革新的治療薬として期待されています。
編集者コメント
チューリング賞の発表がありましたね。コンピュータ界のノーベル賞みたいなもので、チューリングについては下記の記事をご覧ください。
そして今回の受賞者のアンドリュー・バート氏とリチャード・サットン氏はというと、共著『Reinforcement Learning: An Introduction』で知られ、ロボット制御やゲームAI研究を牽引してきた強化学習の先駆者です。
そして、ChatGPTのユーザー数が週あたり4億人突破というニュースもありましたが、少しご注意を。
この4億人という数字ですが、4億人もの人が使っている、ということではありません。たとえば私がパソコンとスマホでChatGPTを使ったら2人とカウントされますし(ログインしてる場合はカウント1かも)、何かのツールの中でChatGPTを使ってたらさらにカウントアップされますし、プライベートアドレスでログインして、会社のアドレスでもログインして・・・なんていうとさらにカウントアップされます。
それにしてもすごい数ではあるのですが、これからGoogleの反撃が始まるだろうなと思ってまして、androidスマホにGemini入って・・みたいな流れの中で一気に利用者数が伸びてくるでしょうし、データも貯まれば、優秀なエンジニアも多い(いま有名なAI関連会社の人は元Googleが多い)し、、、ということで、5年後はまた大きく勢力図が変わってるだろうな〜と思っております。