自分だけのChat-GPTが作れる「GPTs」とは?使い方・作り方を紹介

大森 敏彦
大森 敏彦
February 13, 2025
自分だけのChat-GPTが作れる「GPTs」とは?使い方・作り方を紹介
Image created with AI and Canva

GPTsとはなにか?

ChatGPTをより身近に、より使いやすくカスタマイズできる機能「GPTs」が広がりを見せています。本記事では、GPTsの基本的な概念から具体的な活用方法まで、詳しく解説していきます。

GPTs(カスタムGPT)は、ChatGPTをカスタマイズして、自分専用のチャットボットを作成できる機能です。以前は有料プラン(ChatGPT Plus)でしか利用できませんでしたが、最近では無料プランのユーザーでも利用可能になり、より多くの人がこの機能を活用できるようになりました。

GPTsの特徴

コードの知識がなくてもオリジナルのGPTを作成できる

GPTsの最大の特長は、プログラミングの知識がなくても、独自のAIアシスタントを作れるという点です。設定画面を通じて、必要な設定や指示を行うだけで、オリジナルのチャットボットを作成できます。

開発したGPTを共有・公開できる

作成したGPTsは、他のユーザーと共有したり、公開したりすることができます。自分個人で業務効率を高めていた機能を、チーム内で共有できます。汎用的な内容のGPTsであれば、広いコミュニティで使ってもらうことができます。

(非エンジニアにはやや難易度高め)他サービスとAPI連携できる

より上級者向けの機能として、APIを通じて外部サービスとの連携も可能です。たとえば、Google カレンダーと連携したり、Slackと連携したりすることが可能です。ただし、この機能は非エンジニアにとってはやや難易度が高く、技術的な知識が必要となります。

自分で作らなくても、他の人がつくったGPTsを使える

独自のGPTsを作成する時間や知識がない場合でも、すでに公開されている様々なGPTsを利用することができます。多くのGPTsが日々新たに公開されているため、0から作成するのも良いですが、自分のやりたいことが実装されているGPTsを探して使ってみるのも効率的です。

GPTsの使い方

GPTsは自分で作成しなくても、すでに他の人が作成・公開しているGPTsを使用可能です。現在、様々な用途に特化したGPTsが公開されています。

Web記事などの文章を作成してくれるGPTsや、論文検索AIを使えるGPTs、画像や動画を生成してくれるGPTsなど、さまざまなGPTsが日々作成されています。

GPTsの例

【論文検索】ConsensusGPT

https://chatgpt.com/g/g-bo0FiWLY7-consensus

Consensusは英語で論文検索・要約をしてくれるAI論文検索ツールです。GPTs版であれば、日本語で論文検索が可能です。また、質問に対して論文をエビデンスとして回答してくれます。

論文検索・要約ができるAI「Consensus」の使い方を紹介

【画像生成】image generator

https://chatgpt.com/g/g-pmuQfob8d-image-generator

画像生成をしてくれるGPTsです。画像生成は多くの生成AIの機能として実装されてきていますが、このimage generatorはユーザーとの対話を通じて理想の画像へと修正を重ねていくことが特徴です。

【動画生成】Video GPT by VEED

https://chatgpt.com/g/g-Hkqnd7mFT-video-gpt-by-veed

VEEDはAIを搭載した動画エディターで、Chat-GPT上でプロンプトから動画を生成することが可能です。

こちらも、指示文に対して対話形式で動画の詳細を確認してくれます。ユーザーとはチャット形式でやりとりし、動画を生成するためのプロンプトを作成してくれるので、複雑なプロンプトを用意することなく理想に近い動画を作成することができます。

GPTs上での指示が完了すると、生成された動画をVEED上で確認・ダウンロードできます。

【文章構成】丁重太郎(ていちょうたろう)

https://chatgpt.com/g/g-EPpqeU1du-ding-zhong-tai-lang-teitiyoutarou

ビジネス用のメールの文章について、敬語などの言葉遣いがあっているか不安になることも少なくありません。このGPTsでは、テキストを入力することで、ビジネス用のメールや、会議の招待状などTPOにあった文章に変換してくれます。

【表作成】商品のスペック表の作成ツール

https://chatgpt.com/g/g-vaJvCtk1p-shang-pin-suhetukubiao-nozuo-cheng-turu

テキストをもとにExcelやスプレッドシートなどに体裁を整える作業は、地味に時間がかかるものです。Chat-GPTはそういったフォーマットを整える作業も得意です。このGPTsでは、スペック表の作成をしてくれます。

このように、GPTsでは様々な用途のAIが提供されており、チャット形式で画像・動画・表・インフォグラフィック・文章などを生成してくれるものが数多くあります。

GPTsの探し方

① Webサイトなどで紹介されてているGPTsのリンクをクリックする

公開されている目当てのGPTsへのリンクがわかっていれば、アクセスするだけ利用可能です。上記で紹介したGPTsも、リンクから利用可能です。

② 新しくGPTsを探す

Chat-GPT上から探すには、ログイン後、左上の「GPTを探す」をクリックしてください。

GPTsを検索できる画面に遷移するので、画面上部の検索バーでキーワードを入力すると、関連したGPTsが出てきます。

もしくは、検索バーの下にあるジャンルをクリックしたり、その下のFeaturedなどから、おすすめのGPTsを探せます。

実際にGPTsを使う

GPTsの使用方法は、通常のChatGPTと同じです。選択したGPTsと対話形式でコミュニケーションを取りながら、必要な情報やアウトプットを生成可能です。

GPTsを自分で作成して使う

自分で作成するメリット

該当のテーマに対して、一定の学習されたチャットを継続して使用できる

通常のChatGPTでは、新しいチャットを行う場合、毎回ルールや背景を説明する必要があります。GPTsでは、これらの設定を保存し学習した状態でチャットを使用できます。

業務プロセスの標準化が可能になり、個人の利用でも、チームでの利用でも、一貫性のある出力になりやすいです。

社内やチームで共有して使用できる

自分用にカスタマイズした使いやすいGPTsを組織内で共有することで、チーム全体の生産性向上や、知識やノウハウの効率的な共有ができ、最終的に一定水準のブレが少ないアウトプットに繋がります。

オリジナルのGPTsの作り方

2024年12月現在、GPTを作成する場合は、Chat-GPTを有料契約する必要があります。(利用だけなら無料で可能です。)

先ほどと同様に、「GPTを探す」の画面を開きます。以下のリンクでも可能です。

https://chatgpt.com/gpts

右上の「+作成する」をクリックすると、GPTsの作成画面が開きます。

今回、壺の査定サービスのカスタマーサポートチームが使用するマニュアル代わりとなるGPTsを作成してみます。

まず、「構成」をクリックします。

こちらにGPTsの概要を入力していきます。また、壺の種類の情報を整理してアップロードしていきます。

次に、「作成する」に戻り、GPTsの概要やマニュアルとして用意したい典型的な質問を入力していきます。

GPTsが、マニュアルの概要やよくある質問を学習しました。

実際にユーザーからの問い合わせを入力してみると、対応例がでてきます。

作成したGPTsは、共有する範囲を設定できます。

今回は社内用なので、「リンクを受け取った人」のみという設定にします。「保存する」を押すと、GPTsの作成が完了します。

今回は簡易的な設定ですが、実際の壺の特徴をいれることでデータベースから類似事例で査定金額を算出してくれたり、贋作である可能性の%を提示、実際に調べるには鑑定士のもとへ来てください、といったように来店率を高めるような対応マニュアルも提示できます。

すでに作成したGPTsを追加で編集したい場合、左上のGPTのタイトルのプルダウンメニューから編集可能です。

GPTsのおすすめの使い方

問い合わせサポート

カスタマーサポート対応などのマニュアルとしてGPTsを活用可能です。チャットボットとしてエンドユーザーが使うには精度が不安な部分もありますが、チーム内のマニュアル(社内用QA)としては使い勝手がよいです。マGPTsに質問して回答例を確認することで、マニュアルを探すよりも効率的に適切な対応ができます。

コード、GAS、関数の作成

そのままプログラミングで使えるコードの生成はやや難しく、非エンジニアではなおさらです。一方、Excel・スプレッドシートにおけるGAS(Google Apps Script:Googleアプリケーションで使用できるプログラミング言語。他のアプリとの連携などより高度な仕組みを実現できる)や関数の作成はChat-GPTなら得意分野です。やや複雑なもののよく使用する関数などは、GPTsであらかじめ学習させておくことで、0からプロンプトを作成する必要なく、そのまま呼び出すことも可能です。。

フォーマットを整える作業

Chat-GPTはフォーマットを整える作業も得意です。全角を半角にする、カッコの形式を変えるなどの修正や、表計算ソフト用にテキストを整形する作業などです。

一方で、そのようなフォーマットをプロンプトで毎回指示するのは大変なので、一度GPTsでひな形や基本形作ってしまい、あとは編集する方法にすると、メンバー間でも共有できて便利です。

文字コンテンツ作成のサポート

自社のオウンドメディア用であれば、どういう事業で、ターゲットが誰で、お問い合わせポイント、文章の中で意識するチェックリストの内容などを学習させれば、その前提を元に構成案や文章を生成してくれます。また、商品を理解していることで、キャッチコピー案や方向性の提示など、一貫したブランドトーンで行ってくれます。

まとめ:GPTsによりChat-GPTはより身近で使いやすい存在に

GPTsは、ChatGPTの機能をより身近に、より使いやすくカスタマイズできる画期的なツールです。プログラミングの知識がなくても独自のAIアシスタントを作成でき、業務効率化やチーム内でのナレッジ共有が可能になります。

また、公開されているGPTsでは各分野で使いやすくカスタマイズされたものや、他のAIツールを使ううえでの補助的な立ち位置で、チャットをするだけで、難しい動画生成が可能なものもあります。自分で作るのはもちろん、便利なGPTsを見つけて使いこなしていくことが今後のAI時代には必要なスキルになっていくでしょう。

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大森 敏彦
大森 敏彦
2016年からWebマーケティング業務に従事し、プログラミング教育事業やBtoBマーケティング、旅行業界などに携わる。自作のGPTsではスプレッドシートの業務効率化を日々行なっている。好きな生成AIはGemini。
峯林 晃治
監修:
峯林 晃治
Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年に事業会社に入社。主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。2020年に独立。ファストマーケティング株式会社を立上げ、BtoB企業向けのコンテンツマーケティングの支援サービスを提供。
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