Claudeとは何か?
Claude(クロード)とは、OpenAIの元社員が設立したAIスタートアップ企業であるAnthropic社によって開発された、大規模言語モデル(LLM)を使用した対話型生成AIです。自然な文章を生成できることが特徴です。2024年6月にはベンチマークスコアでChat-GPTやGeminiと比較した時に高いスコアを出しているデータが公式サイトから発表されました。
参考:https://www.anthropic.com/news/claude-3-5-sonnet
ClaudeのURL:https://claude.ai/
Claudeの特徴
生成される日本語の文章のレベルが高い
Claudeはテキスト生成のレベルが、他の対話型生成AIと比較して高いと言われています。同じ対話型生成AIのChat-GPTよりも、日本語が自然という利用者の声が多いです。
読み込める文章量が多い
Chat-GPTなどの他の対話型生成AIに比べて、チャットに読み込ませられる文章量(プロンプトの処理量)が多いこともClaudeの特徴です。小論文やレポート、研究結果などを読み込ませてサマリーを作成したり、文字数の多い英文を翻訳したりといった活用シーンが想定されます。
無料版では、Chat-GPTと読み込み量はほとんど変わりませんが、有料版は最大で約15万文字程度の読み込みが可能です。トークン量(対話型生成AIが処理できるデータ量の単位)では、20万トークンと言われています。Claude3の「Sonnet」モデルは、最大20万トークン、最上位の「Opus」モデルだと最大30万トークンまでの入力が可能です。
Chat-GPT 4がトークン量約3万、文字数2.5万文字であることを考えると、かなり多いことがわかります。
コードの生成能力が高い
Claudeはプログラミングコードの生成能力が他の生成AIに比べて高いとされています。一方で、Chat-GPTの新バージョンのo1もコード性能が高いと言われているため、併用しながらより良い方の回答を採用するのも有効です。
翻訳の精度が高い
ClaudeもGemini、Chat-GPTと同水準の翻訳性能を持っていて、翻訳の精度はその中でも高いと言われています。自然な言葉遣いにする能力に長けているため、元の原稿を意訳して噛み砕いた読みやすい文章にしてくれることが多いです。
アーティファクト機能で、編集や共有が可能
アーティファクト機能とは最新モデルのClaude 3.5 Sonnetモデルで追加され、2024年8月に無料ユーザーにも開放された機能です。生成されたコードや文章、グラフィックなどを編集でき、他のユーザーとも共有できます。
一つの画面の中で、自分が入力したプロンプトと、それに対するClaudeの回答や説明が左の画面に出て、右側にアウトプットされたファイルが出てきます。
Chat-GPTと比較するとビジュアル的に整理されていて視認性が高く、同じチャット内であれば前のチャットで生成されたファイルも閲覧しやすいので、使い勝手が良いです。
一方で、2024年10月にはChat-GPTにCanvasという似た機能がベータ版として登場しています。アーティファクト機能と同様に、左右で画面が分割されて、チャットとアウトプットが別になり、部分的な追加の質問・指示も可能です。
ブラウジング機能はない
インターネット検索には対応しておらず、リアルタイムでのブラウジングはできません。
Claude 3 OpusとClaude 3 Haikuは2023年8月までのデータを、Claude 3.5 Sonnetは2024年4月までのデータを元に回答が生成されます。(2024年10月時点)
画像・音声・動画などの生成はできない
Claudeには、画像、音声、動画を生成する機能はありません。テキストによる会話や文章の作成を主な機能としているAIアシスタントで、現時点(2024年10月時点)では視覚的・聴覚的なコンテンツを作り出すことはできません。
Caludeの料金・有料版と無料版の違い
月額20ドル
Claude Proの利用料金はアメリカだと月額20ドルです。イギリスだと、18ポンド、EU圏だと18ユーロです。日本円だと3000円弱です。
使えるモデルの違い
無料:「Claude 3.5 Sonnet」が使用可能です。
有料:「Claude 3.5 Sonnet」に加え、「Claude 3 Haiku」と「Claude 3 Opus」が使用可能です。
各モデルの違い
- Opus:高度なタスクにおいて最先端のパフォーマンスを発揮し、人間らしい理解力をもつモデル(精度重視)
- Sonnet:精度とスピードのバランスを取ったモデル
- Haiku:応答速度重視の、最も高速でコンパクトなモデル
利用制限
無料版は連続で使用しすぎると、5時間程度の利用制限がかかり、チャット画面で案内が出ます。有料版はほぼ利用制限はありません。
利用制限がかかった場合、「You are out of free messages until 2 AM」と、利用制限が解除されるまでの時間が表示されます。
回答スピード
有料版で使えるClaude 3 Haikuはスピードを重視したモデルのため、回答スピードが早いです。
Claude 3.5 Sonnetの場合
Claude 3 Haikuの場合
GIF画像だとややわかりにくいかもしれませんが、同じプロンプトに対しての回答はClaude 3 Haikuのほうが圧倒的に早いです。とはいえ、Claude 3.5 Sonnetでも遅いということはなく、問題なく使えるスピードです。
Chat-GPT、Geminiとの使い分け
他の代表的な生成AIとClaudeの使い分けについて、各生成AIの特徴を踏まえた使い方は以下が挙げられます。
- Googleが開発したGemini:クリエイティブな作業に向いている。今後はGoogle検索と連携したWeb上の最新情報の活用や、Googleドキュメントなどのファイルの活用などが期待できる。
- OpenAIが開発したChat-GPT:汎用性が高く、どの業務でも使用できる。回答にはややブレがあり、不正確な回答に注意。
- Anthropicが開発したClaude:安全・無害・誠実を掲げていて安心して使用できる。クリエイティブな作業はやや劣るが、言語の自然さを重視する領域に向いている。
Claudeはアーティファクト機能もあり、筆者個人の感想としては使い勝手が良いため、文章の添削や翻訳などの言語を重視するタスクはGPTよりもClaudeを使用することが多いです。
Claudeの使い方
まず、アカウントを登録します。
https://claude.ai/ にアクセスしましょう。
メールアドレスを入力した後、電話番号認証が必要です。届いたSMSから6桁のコードを入力します。
電話番号認証をしたら、Claude上で表示する名前を入力します。
名前を入力したら登録完了です。
このチャット画面にテキストを入力することで、チャットで回答してくれます。
Claudeの使用例
文章の作成
結婚式の乾杯の挨拶を考えてもらいます。
このように、条件にあった自然な文章を考えてくれます。
文章の校正
誤字脱字のチェックや、より自然な表現の提案をしてくれます。
文章の添削
ビジネスメールにおける文章添削・構成の提案を行ってくれます。
難解な文章の読解・翻訳
英語の論文について、翻訳し、さらに内容をわかりやすく変換してもらいます。
使用論文:
英文は問題なく翻訳できましたが、研究論文なのでわかりやすい表現にしてもらいます。
このように、難解な文章を翻訳し、サマリーの作成を行ってくれます。
手順書の生成
倉庫でのピッキング作業におけるテキストメモを、新人や1日限定で働く人に向けてわかりやすい手順書にしてもらいます。
手順書として簡潔になりましたが、よりわかりやすくフローチャート図で表現してもらいます。
手順書として整理してくれるだけでなく、簡単なフローチャート図まで作成してくれました。この右側のアーティファクト機能は、アウトプットをダウンロードしたり、そのまま人に共有できたりするので便利です。
コードの生成
Pythonでデータベースから情報を取得するコードを生成します。
このように、Claudeは活用できる場面が多く、アーティファクト機能があるため、他の生成AIとしっかり差別化されています。
まとめ:Claudeは高性能で活用シーンの多い生成AI
Claudeは自然な文章が生成でき、アーティファクト機能でチャット画面とアウトプットが別のタブで表示されるなど、編集や共有もしやすい生成AIです。Chat-GPTやGeminiと同様に業務や日常生活で活用できる高機能の生成AIで、安全性や誠実さを重視しています。他のツールと並行してぜひ使ってみてください。