編集もできる画像生成AI「ClipDrop」の使い方を紹介

大森 敏彦
大森 敏彦
March 25, 2025
編集もできる画像生成AI「ClipDrop」の使い方を紹介
Image created with AI and Canva

ClipDropとは何か?

ClipDropは画像生成と編集が可能な生成AIです。Stable Diffusionという有名な画像生成AIの機能を使用しています。ドラッグ&ドロップのマウス操作で編集したい範囲を指定し、プロンプトを入力することで画像の編集や生成ができるのが特長で、画像編集の技術がない人でも簡単に背景の削除などが可能です。

https://ClipDrop.co/

※2025年1月現在、日本語版はなく、英語のみです。

ClipDropでできること

ClipDropはとにかく多機能で、画像の生成〜編集まで、画像編集の技術がなくても思い通りの調整が簡単にできます。

画像生成

プロンプトを入力することで、画像を生成可能です。筆者が試してみたところ、他の生成AIよりもスピーディーに画像が生成されました。

画像編集

編集したい画像をアップロードし、該当の箇所をマウス操作で範囲指定しプロンプトを入力するだけ簡単に編集できます。たとえば、ボトルに入ったコーヒーをジュースに変える、なんてことも可能です。

画像のトリミング

画像の不要部分な部分をドラッグで指定するだけで、AIが自動でカットしてくれます。Adobe Photoshopなどでプロが手作業でやるような編集を、簡単に行えます。

画像の背景の自動補完

画像にマッチした背景をAIが自動的に補完してくれます。

ClipDropの料金

Freeプラン

  • 使用できる機能の制限あり(背景差し替えはできない/類似画像の生成はできるがダウンロードはできない)
  • 画像の解像度の制限あり(最大1024×1024まで)
  • 1日あたり生成・編集の制限あり(100枚まで)

Proプラン

  • 機能の制限なし
  • 画像の解像度の制限なし(最大1024×1024まで)
  • 1日あたりの生成・編集の制限拡張(1500枚、または機能によっては1,000枚)
  • 年払い 1,821円/月
  • 月払い 2,570円/月

無料プランでも十分に使える内容ですが、

  • 高解像の画像を生成する
  • 元の画像から類似画像を生成してダウンロードする
  • 背景を差し替える

などの機能を使う場合は有料版が必要です。

APIプラン

APIプランは、ClipDropの機能を自社のアプリケーションなどに組み込んで使用するためのプランです。従量課金制で、最小の100クレジットで7,981円、最大は50万クレジットで638万円ほどです。(1クレジットで、各機能を1回使用できます。)

APIプランの詳細

https://ClipDrop.co/apis/pricing

商用利用可能

ClipDropで編集・生成した画像は商用利用が可能ですが、他の生成AIと同様に著作権には注意しましょう。アニメや漫画などのキャラクターや、企業やサービスのロゴを使った画像は、許可を取っていない限り商用利用を避けましょう。

ClipDropの使い方

ここからはClipDropの使い方について、キャプチャ付きで詳しく解説していきます。

https://ClipDrop.co/にアクセスします。

右上の「Sign-in/ Sign-up」からアカウントを登録しましょう。Googleアカウントでのログインも可能です。

ログインした後は少しスクロールすると表示される、「TOOLS」セクションから、各機能を使用できます。

ここからは、各機能の使い方を紹介していきます。

Generative Fill (画像の一部分の修正)

画像の任意の要素を置き換えたり、削除したり、修正することができる機能です。

TOOLSからGenerative Fillをクリックすると、画像をアップロードする画面になります。

画像をアップロードすると、画像上をマウスでドラッグできるようになり、変更したい要素を囲んで指定できます。

画像を囲ったら、次に変更したい内容をプロンプトで指示します。画像の下にプロンプトを入力するフィールドが出てくるので、英語を入力しましょう。

今回は、ビールの画像をペットボトルに入ったメロンソーダに変更してみます。

変更後の画像です。メロンソーダなのに色がオレンジ色なのでもう少し修正は必要ですが、違和感なくビールから変更されています。このように画像をアップしてドラッグで範囲指定、プロンプトを入力するだけで、お手軽に画像を修正できます。

他の機能の使い方も紹介します。

Universal Resizer (画像のサイズ修正)

ソーシャルメディアで使用するための画像のサイズ修正(リサイズ)も簡単に行えます。

先ほどと同じように画像をアップロードすると、下に「どのソーシャルメディア用にリサイズするか」が出てきます。

選べるSNS

  • Facebook
  • X(Twitter)
  • Instagram
  • TikTok
  • LinkedIn
  • Pinterest
  • YouTube
  • Google My Business
  • Thred

こちらから具体的なサイズ指定をせずとも、すでにサイズが明記されています。今回は、TikTokのプロフィール用にリサイズします。

サイズが変更されるだけでなく、ペットボトルを中心にトリミングしてくれました。

画像は、右上のダウンロードボタンから保存可能です。

Instant text to image (テキストから画像生成)

ClipDropは、入力したテキストから即座に画像を生成することが可能です。

入力フィールドにテキスト(プロンプト)をいれると、すぐに画像が生成されます。他の画像生成AIよりスピードが早いです。

猫が庭で遊んでいる / A cat is playing in the garden.の出力結果

Chat-GPTをはじめとするチャット型のAIでは対話をしながら生成したい画像の詳細を詰めていくことができますが、clipdropは対話型ではないため、プロンプトで的確にイメージを伝える必要があります。英語で指示するため、理想の画像を生成するには、Chat-GPTと並行して使うのが良いでしょう。

たとえば、Chat-GPTに「画像生成用に適切なプロンプトを作りたいので一緒にプロンプトを考えてほしい。」「その結果を翻訳してほしい。」といった依頼を行い、入力する英語のプロンプトの完成形を作るイメージです。

今回は「庭で遊んでいる猫」について、複数のパターンでChat-GPTにプロンプトを出してもらいました。

  • 猫が庭で遊んでいる
    • A cat is playing in the garden.
  • 小さな三毛猫が、花の咲いた庭で蝶々を追いかけている
    • A small calico cat is chasing a butterfly in a flower-filled garden.
  • 絵本風で「小さな三毛猫が、花の咲いた庭で蝶々を追いかけている」
    • In a picture book style: "A small calico cat is chasing a butterfly in a flower-filled garden."
小さな三毛猫が、花の咲いた庭で蝶々を追いかけている / A small calico cat is chasing a butterfly in a flower-filled garden. の出力結果
絵本風で「小さな三毛猫が、花の咲いた庭で蝶々を追いかけている」 / In a picture book style: "A small calico cat is chasing a butterfly in a flower-filled garden." の出力結果

また、同じプロンプトでも、右側の矢印のリフレッシュボタンを押せば、別パターンの画像を出力してくれます。

Replace background (背景の置き換え)

画像の背景を削除して、別の背景を挿入してくれる機能です。

画像をアップロードすると、要素だけ切り出されて背景が消えます。

プロンプトを入力することで好きな背景を生成できます。今回は「夏の海辺のビーチ / A summer seaside beach」の背景にします。

背景の候補が出力されます。

Remove background (背景の削除)

先ほどは「背景の生成」でしたが、次は「背景の削除」です。アップロードした写真から要素のみを高精度で抽出し、背景の削除ができます。1度の操作で10枚まで作業可能です。

背景を削除したい画像をアップロードします。今回は5枚アップロードしました。

背景が削除された画像が生成されました。

Cleanup (要素の削除)

写真からオブジェクト、人、テキストを除去できます。GooglePixelの消しゴムマジックのような機能です。

画像をアップロードすると、削除したい要素をマウスで指定する画面になります。

画面を拡大して、人物を選択し、右のCleanボタンを押します。

自然なかたちで指定した人物だけ消えています。

Uncrop (要素の追加)

元の画像にない要素を追加しながら、サイズ変更ができる機能です。

画像をアップロードしてサイズを選択します。

Nextを押すと、修正された画像の候補が出力されます。

この画像だと、上の空白部分にテーブルが自然に追加されていて、テーブルの上にカニが乗っている画像になります。

何枚か試してみましたが、画像に大きな変化はなく、他の機能よりはやや使う場面が限られそうです。画像の撮り直しが難しい場合などに、使えるかもしれません。

Image upscaler (画像の拡大)

画像を拡大しつつ、画質の荒い部分をきれいにしてくれます。

画像をアップロードして、2倍・4倍・8倍・16倍から拡大サイズを選択します。

試しに、左上のお皿に乗ったきゅうりの部分を拡大して比較してみましょう。

元画像
生成後の画像

かなり細部の粗さがなくなっていることがわかります。

Sketch to Image (スケッチの画像化)

簡単なスケッチを数秒でリアルな画像に変換します。

この機能には元々あるスケッチをアップロードする方法と、その場で手書きで書く方法があります。

このフィールド上でマウスでスケッチするのはかなり難しいですが、キッチンで包丁を使っている様子をアニメ風に生成してもらいます。

元のスケッチの構図から派生して、キッチンで料理をしている様子の候補が生成されました。少し拡大解釈しているようにも見えますが…。

元々のスケッチ画像から生成する方法もあります。

スケッチ画像をインポートし、楽しげなグラフィックにしてもらいます。

Reimagine (類似画像の生成)

画像をアップロードすると、類似画像の候補を生成してくれます。

元画像
生成後の類似画像

ClipDropの使い勝手や、他の画像生成AIとの使い分け

スピード感やお手軽感は魅力で実用的な機能も豊富

実際にClipDropを使ってみると、手軽に多彩な画像生成や編集ができる点は魅力的でした。とくにドラッグで要素を消す機能や、サイズを大きくしつつ画質を上げる機能などはかなり実用的です。Photoshopなどの画像編集ソフトが使えない人でも簡単に編集できます。類似画像の生成も非常に便利です。

0からの画像生成はコツがいる

一方で、0からの画像生成は英語でプロンプトを考える必要があり、対話しながら良いプロンプト・理想の画像のテキスト化を行えるChat-GPTなどでの画像生成のほうが楽に感じます。ClipDropで生成する場合は、Chat-GPTなどを併用するのが良いかもしれません。

Webブラウザ上でお手軽だが、操作ミスをしやすい

Webブラウザ上で編集できるのは魅力ですが、「ブラウザバックをすると作業途中の画像が保存されない」仕様のため、操作は慎重に行いましょう。今回、実際に作業をしているなかで特に横スクロールで画像の範囲を選択している最中に、そのままブラウザバックしてしまいイチからやり直し、というケースが何回もありました。そこさえ注意すれば、使い勝手のいい画像編集AIとして、非常に実用的です。

まとめ:ClipDropはお手軽で高機能な画像生成・編集AI

手軽に画像編集・生成をするにはClipDropは非常に便利で多機能です。プロンプトを必要とする内容は英語のためやや使いにくい方もいるかもしれませんが、ドロップ&ドラッグで編集できる機能などはとても使いやすいので、まずは無料版を触ってみるのがおすすめです!

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大森 敏彦
大森 敏彦
2016年からWebマーケティング業務に従事し、プログラミング教育事業やBtoBマーケティング、旅行業界などに携わる。自作のGPTsではスプレッドシートの業務効率化を日々行なっている。好きな生成AIはGemini。
峯林 晃治
監修:
峯林 晃治
Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年に事業会社に入社。主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。2020年に独立。ファストマーケティング株式会社を立上げ、BtoB企業向けのコンテンツマーケティングの支援サービスを提供。
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